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■セノーテ形成の年表■
1. 約2億5000万~6600万年前(中生代)
• 地質的基盤の形成/ユカタン半島一帯は浅い海洋環境で、石灰岩(炭酸カルシウムを主成分とする堆積岩)がサンゴ礁や海洋生物の殻から堆積。厚い石灰岩層が形成される。
• この時期、ユカタン半島は熱帯の海底下にあり、石灰岩層が徐々に成長。
2. 約6600万年前(白亜紀末)
• チクシュルーブ隕石衝突/直径約10〜15kmの巨大隕石がユカタン半島に衝突(現在のチクシュルーブ・クレーター)この衝突は地殻に深い亀裂を生み、石灰岩層を破壊・変形させる。
• 衝突による地震や地殻の変動が、後のセノーテ形成に必要な地質的脆弱性を増加させる。特に、クレーター周辺に放射状の断層や亀裂が形成。
3. 約6600万~200万年前(新生代:第三紀~第四紀前期)
• 石灰岩層の浸食開始/ユカタン半島が海から隆起し、熱帯気候下で雨水(弱酸性)が石灰岩を溶解し始める。地下に洞窟や空洞が形成される(化学的風化)
• 地下水系の形成/地下水が石灰岩層を浸食し、広範な地下河川や洞窟網を構築。これがセノーテの原型となる。
4. 約200万~1万年前(第四紀:更新世)
• 氷河期と海面変動/氷河期のサイクルにより海面が低下。ユカタン半島の石灰岩層がさらに露出され、雨水による浸食が加速。地下洞窟が拡大し、一部は天井が薄くなる。
• 降雨量の増加や熱帯気候が、地下水による石灰岩の溶解を促進。
5. 約1万年前~現在(完新世)
• セノーテの陥没と露出/地下洞窟の天井が弱くなり、崩落(陥没)してセノーテが形成される。陥没により地下水が地表に露出。
• チクシュルーブ・クレーターとの関連/セノーテは特にチクシュルーブ・クレーターの外縁部に集中(セノーテのリング)。これは、隕石衝突による断層が陥没を促進したためと考えられる。
• 現代/セノーテは地下水系の一部として機能し、観光地や考古学的遺跡(マヤ文明の儀式場)としても重要。
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